第二級陸上特殊無線技士試験(二陸特)を受験してきた話~勉強編~
こんにちは、美波です。
前回に続いて、第二級特殊無線技士試験を受験した話について書きます。
今回は勉強編です。
二陸特は暗記の試験です
勉強するにあたって、ネット等で下調べをした結果、試験の概要としておよそ次のようなことがわかりました。
(1)試験は無線工学についてが12問、法規についてが12問出題される。試験時間は1時間
(2)出題形式は、4つの選択肢から正解を一つ選ぶマークシート方式
(3)それぞれ各5点の60点満点。いずれも40点以上で合格
(4)問題は過去問が繰り返し出題されているらしい
なるほどなるほど…。何となく、自動車免許のペーパー試験を思い出しました。難関国家資格のように、落とす試験ではないのですね。なので85%の合格率である、と。
試験時間の1時間も、退出可能時間になればほとんどの受験生が退出するとか。となると、「過去問が繰り返し出題される」というのは事実のようです。
因みに、実際に受けてきた感想ですが、本当に過去問さえやっておけば十分合格します。
「なぜそうなるのか」「どうしてこの選択肢が正解なのか」といったことに疑問を持ってしまう方には多少しんどいかもしれません。でも、「この質問の時はこの選択肢だ!」「このフレーズが出たらこれが間違いの選択肢だ!」という暗記の仕方でも十分に対応できます。
とにかく過去問をこなす。これが試験突破の最適解でしょう。
勉強に使った教材
ここで、私が実際に使用した教材を紹介します。
(1)参考書
「基本は過去問」とはいえ、理屈や背景が分かればより正解肢を選びやすい問題もあるだろう、ということで参考書を一冊購入しています。
過去問中心で演習しながら、自分がよく間違える箇所の知識を参考書で補完する、という勉強スタイルですね。
というわけで購入した参考書がこちらになります。
やさしく学ぶ 第二級陸上特殊無線技士試験(改訂2版) [ 吉村 和昭 ]
「やさしく学ぶ」と銘打つだけあって、説明が簡易で分かりやすいです。
試験対策として、重要度を★の数で表してくれているのも親切です。
更にこの参考書は、出題範囲を分野ごとに章立てて解説しているほか、解説後には過去に出題された問題がそのまま演習問題として掲載されているため、「さっきの解説のこの部分を覚えておけば、本試験には対応できるんだな」というのがイメージしやすくなります。
歴代の受験生にも愛用されている、王道の参考書です。
(2)過去問
次に最も大切な問題演習ですが、私は過去問集を購入していません。
その代わり、「電波受験界」というサイトに掲載されている過去問を繰り返し解くことで問題演習としました。
「電波受験界」というサイトですが、「一般財団法人 情報通信振興会」という、1954年から無線従事者国家試験の受験雑誌を発行してきた団体の作成しているサイトということで、由緒正しい信頼できるサイトです。
(2018年まで電波受験界という雑誌を作成しておられたそうで、雑誌がそのまま掲載先をインターネット上に移したような感じでしょうか。会計の世界でも、「会計人コース」なる税理士・公認会計士試験受験生御用達の雑誌が2020年に休刊になって、紙面をウェブ上に移しましたね。時代とはいえ、アナログ世代には寂しいものがあります。)
私の場合、そこからダウンロードした問題を、下のようにノート形式にまとめて、いつでも見られるように工夫しました。
ダウンロードした問題は無線工学・法規の分野ごとに1ページ6問、計2ページ12問の構成となっているため、A4用紙に2in1の形式で印刷し、正解選択肢にはあらかじめ赤で丸を付けておきます。
あとは100均で売っている赤シートで隠せば、英単語を暗記するときのように、過去問の解答訓練ができるようになります。
白紙を表紙代わりにして、ホッチキス止めの部分は製本テープで上品に仕上げました。
これで電車で解答訓練しても恥ずかしくありません(笑)
実際の勉強方法
試験は令和3年の10月20日でしたが、実際の勉強は9月29日から始めました。
事前のリサーチから、さほどに難易度が高くないことはわかっていましたが、何せ文系出身者にとって電波なんてのは未知の世界。「10月に入ってから勉強すればいいか」と考えていたものの、少し試験が気になりだして、フライング気味の試験勉強スタートでした。
まずは試験の出題形式に慣れる
初めに行ったのは、自作の問題集の解答です。
解答とは言っても、素人の私が所見で問題を解答できるはずもないので、とにかく問題を見て、何となくこの解答かな~、とアタリをつけてみて、即座に正解肢を確認する、という、ほとんど読書に近い作業です。
「おお、何だこの単語」とか「うわ、なんか計算しないといけないっぽい」とか、やる気をそぐ要素満載ですが、とにかく止まらずに読み進めること。
すると、過去問3つ目くらいで、「ん?これ見たことある…。」という問題に出くわすはずです。
で、9回目を読むころには、「理屈はわからないけど、同じ問題だったから正解選べたわ」という体験ができるはず。
そのくらい、同じ問題が繰り返し出ている試験です。この「過去問を読む」を通して、試験の難易度が決して高くない、ということを体験しましょう。
参考書を読む
「過去問を読む」作業が終わったら、参考書を読み進めましょう。
といっても、我々の目標は試験に合格すること。何も電波の世界を制覇しようというわけではありません。
ということで、読み進め方としては、「試験に出るところを重点的に読む!」というスタンスでOK。
具体的には、参考書内で「★ ★ ★ 超重要」「 ★ ★ 重要」「 ★ 注意」と印のある単元およびゴシック太字の部分をしっかり読みましょう。
読んだ後は、単元ごとについている問題にチャレンジ。読んだ内容が記憶に残っていて正解肢を選べたならOKです。
ただし、優先すべきは参考書の読破。重要度でメリハリをつけつつも、とにかく読み切らないことには、試験本番に未知の単元を残すことになってしまいます。
仮に問題に正解できなくても、1度復習でその単元を読み直したら、次の単元に進みましょう。不安ならその箇所に付箋をつけて、読了した後で戻ってきましょう。
読み終えたら参考書をはじめから。ただし次は過去問重視で。
参考書を、問題を解きつつ読破したら、もう一度参考書の最初に戻りましょう。
ただし、次は解説を詳しく読む必要はありません。単元ごとの太字を流し読みしたら、過去問にチャレンジしましょう。
過去問は、読んだ単元ごとに、その知識で解答できそうな箇所を探してチャレンジします。参考書の単元ごとの問題とほぼ同じ問題が見つかるはずです。
出題回に捕らわれず、手元にある9回分の過去問を横断しながら、読んだ単元の知識で解ける問題を解き、解いた後は参考書の次の単元へ。以降、単元のゴシックを読む→過去問の該当箇所を解く、を繰り返しながら、再度参考書を読破しましょう。
最後は過去問にチャレンジ。出題回ごとに合格点を意識しよう。
ここまでできたら、あとは知識を出題形式に合わせて調整するだけです。過去問をどんどん解きましょう。
解く際には、出題回ごとの合格点を意識します。合格点は、無線工学で8問以上、法規で8問以上正解すること。つまり、それぞれ4問までは間違ってもOKです。
よほど苦手な単元なら、捨て問が1つくらいあってもいいかな…とか、そんな自分なりのテクニックを考えてみてもいいかもしれません。
問題数が少なく、解答方法も択一式なので、解答そのものにはさほど時間がかからないはず。できる事なら、過去9回分を一気に解いてしまいましょう。
その際、間違ったところは×印をつけておいて、採点後間違った理由がわからないときは参考書の該当箇所を再度読んでみましょう。
翌日は、昨日×が付いた部分だけを解答し、間違ったら再度×をつける。
翌々日は、××の部分を解答する。
×の箇所を全て正解したら、再度過去9回分を全て解いてみて、間違った部分は×をつけて…、といった具合に、間違った箇所を重点的につぶしていきましょう。
ただし、そこまで神経質にならなくてもOK。とにかく、難易度的には簡単な試験です。自身の重荷にならない程度に、一日30分でも読む・解くの作業をするだけで、十分合格点にたどり着けます。
私の実際の勉強
参考までに、私の実際の勉強と要した時間をメモしておきます。
9月29日~9月30日 | 過去問を流し読み。1日約30分くらいの勉強時間。 |
10月1日~5日 | 参考書を読む。1日1時間くらい、通勤中の電車内で。 |
10月6日~15日 | 参考書の単元ごとに過去問の該当箇所にアタック。1日30分で1~2単元ずつ。 |
10月16日 | 過去問9回分にチャレンジ。間違えた個所に×をつけて参考書で再確認。(2時間くらい) |
10月17日 | 前日×の部分を解答。 間違えた個所に×をつけて参考書で再確認。(30分くらい) |
10月18日 | 10月16日と同じ作業(2時間くらい) |
10月19日 | 10月17日と同じ作業。問題集の×が多い箇所を参考書で確認&暗記(1時間くらい) |
10月15日までは、忙しくて何もしない日も挟んだりしたので、総勉強時間は15時間くらいになるでしょうか。
とにかく、苦手意識をつけないこと、必要以上に高い壁だと思い込まないことがこの試験では一番大切かと思います。
合格率の高い試験です、決して難関ではありません。問題を繰り返し解いて、出題パターン、解答パターンを暗記することが何より大切です。参考書はあくまで、暗記した解答をより確実にするための根拠資料、という位置づけで、どんどん問題に触れることが合格への近道かと思います。
試験の様子と自己採点
そんな感じで10月20日に試験をむかえました。
仕事を半休して試験に向かったわけですが、試験自体はあっさりとした印象でした。
受験席は自由席で、コロナ対策で3人掛けのテーブルに各1人ずつ着席するスタイル。
配られた問題は、無線工学・法規ごとに各1枚の問題用紙と、マークシートの解答用紙の計3枚。
問題用紙はA4サイズでペラッペラのシンプルなものでした。
試験時間は1時間で、30分を過ぎれば退席可能。
ほとんどの方が30分で退席される印象です。私も、10分弱で解答が終わったため、20分たっぷりマークミスがないかの確認をして、退出可能になった段階ですぐ席を立ちました。
感触としては、全問正解とまではいかなくとも、十分合格点には達したかな、という感じでしたが、後日、10月25日に解答速報が出るとのことだったので、一応自己採点してみたところ
法規 | 55点(60点満点)1問不正解 |
無線工学 | 55点(60点満点)1問不正解 |
という結果でした。1問5点で、各40点以上で合格のため、無事合格したかな、という結果です。
無線工学で未知の問題が1問、法規で見たことはあるけどこういう選択肢で聞かれるのは初めてかな?という問題が1問あり、それぞれまんまと間違った形になりますが、それ以外は既知の問題ばかりだったため、過去9回の過去問で合格点がしっかり取れるよう訓練しておけば、問題なく合格できる試験かと思います。
というわけで、第二級陸上特殊無線技士試験の勉強方法についてでした。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。