経理職読書のススメ

2023年4月5日

こんにちは、美波です。

本日は私が読んだ本を紹介します。

現役経理職のブログということで、一発目は経理に纏わるこんな本を紹介します。

・会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカー500年の物語

時代ごとに、計算書類には重視される役割があって、それらは動態論・静態論と呼ばれており…なんていう概論的な話は、会計を勉強すると必ず出てくるフレーズではありますが、概念の勉強というのはどことなく哲学的でとっつきにくいものです。

その点、こちらの書籍は、あくまで時代ごとにこんな出来事があった、あんな出来事があった、というように、産業革命に代表される世界の出来事を大枠で紹介しつつ、それと寄り添う形で会計が進化していったんだよ、というスタンスで文章が進んでいくため、会計に興味の無い方でもスイスイと読み進めることができます。

また、「商売」という軸で語られていく世界史観も切り口として新鮮で面白い。政治や紛争という所謂学校教育的な視点ではない世界史観が、なんとも社会人的で知的好奇心を刺激されます。

個人的には本筋とはあまり関係ないながらも、「商売というのは新しい発見をした第一人者よりも、その発見が波及する分野やインフラに目をつけ、そこに投資したものが富を掴む」といった趣旨の記述が目から鱗でしたね。素晴らしい発見をしつつも没落していく発明者と、いいとこどりで資産家となっていく人々の対比は現在に通じるものがあって考えさせられました。

会計史というニッチな分野を、商売という身近な切り口で分かりやすく追いかけた本書、経理担当者のみならずいろいろな方にお勧めできる一冊です。